HP 82182A
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HP-41CおよびHP-41CV専用の時計モジュール。モジュール背面に記されるパッケージ名称は〝TIME MODULE〟。HP-41CおよびHP-41CVの拡張スロットに装着し、時計および計時に関する機能を拡張する。
このモジュールを装着すると、時計・2199年12月31日までのカレンダーと経過日数や週数の計算・スプリットタイムを含むストップウォッチ機能・タイマー機能・アラーム機能が使えるようになる。なお、HP-41CXには高精度発振器とこのモジュールで拡張できる機能が内蔵されているため装着不要だ。
NASAからの要請
本モジュールはNASAからの要請により超特急で新規開発されたものだ。1981年、NASAが初飛行を目指していたスペースシャトルの装備品としてHP-41CVを制式採用するにあたり、HPに2点の改造を要請したが、本モジュールはそのうちの1点「クォーツ時計/タイマー/アラーム機能の実装」に端を発する。恐らくNASAはこれらの機能をHP-41CVに内蔵させることを意図したと思われる[1]が、HPはHP-41シリーズの拡張性をフルに生かしモジュールを新規開発することで実現、一般発売に至った。
本モジュールにはHP-41CとHP-41CVには実装されていない高精度発振器が組込まれているため、これら2機種に装着することで正確な計時が可能となるが、高精度発振器を駆動させ続ける必要があるため消費電力が増す[2]。
管理人はHP-41CとHP-41CLで使用するために所有している。
脚注
- ↑ NASAがHPに要求したもう1点が「ACアダプタ差込口と拡張スロットの溶接による閉塞」であることからも判る。なお、HPはこの「溶接による閉塞」を施した以外は市販品とまったく同じHP-41CVと本モジュールをNASAに納品している。
- ↑ マニュアルでは以下のように記載されている。
- 高電流消費(5~20mA)。ALMCAT 機能(アラームカタログ)を使用している場合、または、ストップウォッチモードに設定している(ストップウォッチが表示されている)場合。このモードは、HP-41CまたはHP-41CVがプログラムを実行している状態に相当する。
- 中程度の電流消費(0.5~2.0mA)。時計を表示している場合。このモードは、HP-41CまたはHP-41CVとディスプレイの電源がONでキーボードからの入力を待っている状態に相当する。
- 低電流消費(0.01~0.05mA)。HP-41CまたはHP-41CVとディスプレイの電源がOFFの場合。本モジュールの高精度発振器は、時計、および(動作中の場合は)ストップウォッチを維持するために継続的に動作する必要がある。このモードは、HP-41CまたはHP-41CVの電源がOFFの状態に相当する。