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HP PrintCalc 100

提供: Memorandum
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電卓事業に再参入したHPが2008年11月に販売を開始した、機械式プリンタ付きの中置記法の四則演算電卓。

本機は中置記法の電卓なので、働き出してRPN電卓ユーザとなった現在の管理人には中置記法の電卓が使えなくなる能力が身に付いてしまい使い難いことこの上ないが、近年では珍しい[1]プリンタ付き電卓がHPブランドで市場に出たため、番外として記載する。

当然だが四則演算に何の問題も無い。実装されている機能も至って普通で、1段のメモリ機能や、税率を設定することで税込/税抜価格を演算する機能があり、変わり種として「通貨の換算」や「売価/原価/利幅」を演算するための物理キーがある程度だ。主な購入層として、金融電卓ほどの機能は不要だが、帳簿(家計簿)を付けたり、レジを置かない露天商や小規模店舗等で精算し、プリントされた演算結果をレシート代わりに渡すといったユーザが想定されている。演算可能桁数は最長12桁で、浮動小数点方式と四捨五入方式(切り捨て/切り上げ)が選択できる。

プリンタ部が熱転写式(サーマルプリンタ)ではなく機械式(インクカードリッジ+活字ドラム)なのは、この種の電卓特有だろう[2]HP-46で記載したのと同じ理由で、特に金勘定の演算過程を記録として残すとき、時間の経過で印字した内容が消失してしまうサーマルプリンタは選択されない。尤も、活字の素材を金属からゴムに代え、活字ドラムを数字と記号の1桁ずつ2輪のみとし、常時回転させず印字するときだけ回転させることで、大幅な軽量化・低コスト化・低消費電力化を実現、単3電池4本で駆動できる[3]ようになったが、印字する1行の桁数が多い場合は印字に時間を食う[4]ことを了承してもらう構成となっている。

日本では絶滅危惧種に近い扱いを受けているプリンタ付き電卓だが、アメリカでは現在でも幅広く使われているため、これら向けの消耗品を購入するのは、日本国内でちまちま純正品と謳われた品を購入するより、アメリカから一括で大量購入するほうが大幅に安い[5]。適合するロール紙の幅は58mm(2インチ¼)なので、HP-46向けに購入したものをそのまま使用している。インクカードリッジは汎用のIR-30またはIR-40が指定されている。

再参入後に販売している機種の開発と製造は台湾や中国のOEMベンダが担当しているが、本機は中国製のようで、背面に「Made in China」とある。

スタック なし (中置記法)
プロセッサクロック周波数 不明
使用電池 単3形×4個 または DC6V/0.3A出力の汎用ACアダプタ
製造期間 2008年〜不明 (だが終売済)
製造国 中国
2008年発売当時の定価 不明 (50ドル程度か)

脚注

  1. 尤も、国内3大メーカでは同様の機種を継続して生産しており、新機種も出ている。
  2. 国内3大メーカであるカシオ計算機でもシャープでもキヤノンでもプリンタは機械式(インクカードリッジ+活字ドラム)を採用している。
  3. 本機は〝⌀2.1mmプラグ〟〝センタープラス極性〟〝出力電圧DC6V〟〝出力電流0.3A以上〟の規格を満たすACアダプタでも使用できるため、管理人はこれら条件を満たす秋月電子通商製の汎用ACアダプタを使用している。
  4. 公式な印字速度は「1.4行/秒」らしいが、ACアダプタ使用時で、1行に12桁と小数点1個と記号1桁を印字する秒数を実測すると約2.5秒掛かったため「0.4行/秒」となる。
  5. ロール紙は、日本では純正品が「25m10巻で1,100円」だが、アメリカでは汎用品が「150フィート(約45m)12巻で15ドル」。インクカードリッジのIR-40は、日本では純正品が「1個で660円」だが、アメリカでは汎用品が「6個で10ドル」。輸送料を勘案するのも馬鹿馬鹿しいぐらい格安である。