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HP-50g

提供: Memorandum

2003年にHPが電卓業界に再参入後、台湾Kinpo Electronics, Inc.に開発・製造を委託した、上級プログラム関数電卓。型番の〝g〟が小文字なのは誤りではない。グラフも描画できるドットマトリクス表示の大画面液晶ディスプレイとSDメモリカードスロットを持ち、ファームウェアがアップデートできた[1]HP-48SXHP-48GXの後継機種とされる。

プロセッサクロック周波数が75MHzと電卓向けとは思えぬハイスペックなハードウェア構成だが、これは、それまでHPが自社で開発した4ビットマイクロプロセッサファミリの製造を委託していたNECから「製造設備が維持できないため製造を終了したい」と申し出があったことから、本機の実態が〝HP製マイクロプロセッサをソフトウェアエミュレートした仮想マシン上で、若干手を入れたHP-48シリーズのソフトウェアを動かしている〟ためで、本機のマイクロプロセッサのアーキテクチャはARM9だが、挙動はHP-48シリーズと変えないことを目指した。

しかし、これが原因からか、電池は演算用が単4×3本から4本に増えたうえ、連続メモリ用にCR2032が2個追加され、HP-48シリーズと較べて駆動電圧が上がり消費電流が増加している。更に、肝腎のソフトウェアエミュレータの出来が良くないようで、実際の動作速度がHP-48シリーズより遅く、ソフトウェアにもバグが散見されたり、それよりなによりRPN電卓の要であり機能上・外観上の特長でもある ENTER キーが、他の雑多なキーと同じ大きさとされたうえ最下段右隅に押し遣られたことで、頻繁に使用するのに押下し難いことが致命傷となり、それまでのRPN電卓ユーザからはもちろん、新規のRPN電卓ユーザからも不評を買う事態となった。

こんなことになってしまった原因はいくつか有るが、本機を発売した頃のHPには、RPN電卓では何が重要なのかを知る人材が皆無だったことは断言できよう。裏を返せば、2001年の電卓事業撤退時にHPは、ペンペン草も生えないほど電卓事業に関する全てを棄て去ったことが確実に判った、ということである。

tan355226 [rad]=7497089.06508 (εR=2.26×105)

(ln884736744π)2=43.0000000000

スタック 無制限 (内蔵メモリが許すまで)
プロセッサクロック周波数 75MHz (Samsung S3C2410A ARM920Tコア)
使用電池 単4形×4本 と CR2032×2個
製造期間 2006年〜2015年
製造国 中国
2006年発売時の定価 150ドル (約17,400円)

脚注

  1. ファームウェアの最終版は2009年4月15日公開のVer. 2.15