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Algorithms for RPN calculators

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RPN関数電卓の演算アルゴリズムとプログラミングについて解説した書籍。1978年にアメリカ・ハーバード大学天体物理学センター(当時)のJohn Allen Ball (1935-2019)が上梓した。

英語の書籍で汎用に書かれたRPN関数電卓に関する書籍としては最も有名だと思われる。本書で取り上げられている機種は、重複を除くと掲載順にHP-35/HP-21/National Semiconductor 4510/HP-45/HP-25/Corvus 500/HP-65/HP-67である。

著者が想定している本書の読者層が「RPN関数電卓を所有していて、それの附属マニュアルにアクセスできる、様々な背景を持つ人」だからか、全330ページのうち、RPNの歴史や意義、思考や手順などを記した本文は前半の172ページしかなく、後半の158ページを付録に、しかもその大部分(Appendix A、全119ページ)を多種多様な演算アルゴリズムを実際にRPN関数電卓へキーインする手順に割くという、非常に面白い構成をとっている。もちろんこの場合、本文なんぞ半分以上どうでも良く、Appendix Aこそが、著者が世に問いたい文章であり本書の核であると捉えねばならない。

発行が1978年なので、世間一般にはパーソナルコンピュータが普及してなかったことと、著者が天文学者であることも相俟って、補間・数値積分・特殊関数を演算するアルゴリズムが非常に充実しており、天文学への応用にも触れられている。掲載されている演算アルゴリズムのキーイン手順が有用なのは当然だが、「1970年〜80年代の科学者やエンジニアは、こうしてRPN関数電卓を使い熟していたのだなぁ」と感じ入るにも持って来いの書籍である。

John Allen Ball著。1978年2月初版発行。A Wiley-Interscience Publication刊。330ページ。上製本。ISBN 0471030708